
「企業変革力強化のためのDXの推進: 拡大する不確実性への適応戦略:企業変革力(ダイナミックケイパビリティ)の強化とは」
要旨
2020年ものづくり白書では、米中貿易摩擦や度重なる自然災害、新型コロナウィスル感染症の拡大など、我が国製造業を取り巻く環境の「不確実性」が増す中、企業活動において「企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)」を磨き、予想困難な環境変化に対して柔軟性や適応性を高めていくことが重要。そのためには、IOTやAIといったデジタル技術を活かしてDXを推進し、環境変化に瞬時に対応できる強靱な企業体質を構築することが急務。特に、昨今、製造現場においてもデジタル化が進展する中、デジタル技術を活かして設計力を強化し、製品の設計・開発のリードタイムを可能な限り短縮することが求められている。また、これらの取組を支える人材の育成についても待ったなしである。こうしたものづくりの現場を取り巻く現状と課題について、2020年ものづくり白書に沿って、振り返る。
経歴
1997年、通商産業省(基礎産業局総務課)に入省、その後、資源エネルギー庁、内閣官房(知的財産戦略推進事務局)、在シンガポール日本大使館、貿易経済協力局(貿易管理)等を経て、現在、ものづくり政策審議室長として、ものづくり白書の作成等を担当。
矢野 剛史 氏
経済産業省製造産業局ものづくり政策審議室長