The 6th World Conference on Production and Operations Management “DSI Awards”受賞記念講演


「Automobile Manufacturers Stock Price Recovery Analysis at COVID-19 Outbreak」

藤巻美舞氏(学習院大学)

辻浦衣美氏      白田由香利氏
学習院大学      学習院大学

講演者1:藤巻美舞氏・辻浦衣美氏(学習院大学経済学部経営学科学生)
講演者2:白田由香利氏(学習院大学経済学部経営学科 教授)
始めに受賞内容を説明し、後半で、一般的SHAPアプローチを説明する。

要旨
2020年3月27日、世界の自動車メーカーがCOVID-19によって甚大な被害を受け、ほぼすべてのメーカーの株価が最悪の急落を記録した。その後の株価回復スピードは予想以上であったが、その度合いやスピードは企業に依存した。リカバリの重要要因として,我々は当初サプライチェーンの能力と新市場の開拓能力を想定した。2012年から2015年までの安定成長期の日本製造業を対象にした先行研究の分析においては、この2つの能力が重要であることを確認できていた。本研究では、3月27日の底値から1ヶ月後の株価成長率を被説明変数とする回帰分析を行った。データはグローバル自動車製造企業108社のデータである。結果、サプライチェーンの能力と新市場の開拓能力が株価回復に大きく貢献していることが確認された。しかし、説明変数として用いた10年間の平均値では、Teslaの急成長とEUの自動車メーカーの躍進を説明することはできなかった。本論文では、本リカバリ過程においてEVの製造販売が有意な影響を与えたことを証明する。分析手法としての新機軸は機械学習によるShapley値を用いた点である。Shapley値は、企業の特性を考慮した各説明変数の被説明変数への貢献を評価可能とする。説明変数と被説明変数の相関が見られない場合でも、説明変数のShapley値と被説明変数の間には高い相関が見られた。本Shapley値(SHAP値)による分析手法は広く企業分析に応用可能な手法である。

講演資料

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